コーヒー3杯

紙の日記が苦手だから。

本魂

朗読者 | ベルンハルト・シュリンク(新潮社)

話題になったのはもう15年ほど前?はじめの方で読み捨てて長い事寝かせていた本を、最近また手に取って今度はちゃんと読み終えた。 とても頑なだけど根底に優しさのある作品で、この感動を伝えたいのにうまく伝えられそうにない。 朗読者 (新潮文庫)作者: ベ…

わたしを構成する9冊

「わたしを構成する9枚」ってタグが流行った時、ふーんって華麗にスルーしたんだけど、最近暇になったからか、聞いたアルバムじゃなくて、読んだ本の方でちょっと9冊やってみたくなった。 好きな9冊っていうか、「構成する」っていうのがちょっと癖あるなっ…

楽園のカンヴァス | 原田マハ(新潮社)

面白い小説ってはじめの数ページでわかるもんで、この小説ももう最初から面白い予感がひしひしとあって、時間を見つけて一気に読んだ。 楽園のカンヴァス作者: 原田マハ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/01メディア: ハードカバー購入: 2人 クリック: 60…

熊の敷石 | 堀江敏幸(新潮社)

この一冊は何度か読んでるけど、いつも内容を忘れちゃう。思い出すために何度も手に取って、また忘れることの繰り返し。芥川賞をとった表題作はじめ、収められている三篇は実は私にはピンと来てない。それでも手放さないのは、堀江敏幸の作品だからかな。彼…

アヒルと鴨のコインロッカー | 伊坂幸太郎(創元推理文庫)

映画になったのは覚えてる。映画は結構話題になって、原作があるのを知ったのは少し後だった。アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2006/12/21メディア: 文庫購入: 25人 クリック: 310回この商品…

生きながら火に焼かれて | スアド(ソニー・マガジンズ)

この本の存在は知っていた。たぶん、2004年くらいに店頭にこの本が並び始めたときから。 でも、手に取ることはなかった。「名誉の殺人」の実際のところを知る勇気と、それを受け止める勇気が私にはなかったから。生きながら火に焼かれて作者: スアド,Souad,…

こうばしい日々 | 江國香織(新潮文庫)

本当に久しぶりにこの本を手に取った。再読するのは多分6、7年ぶりくらい。三度目。 こうばしい日々 (新潮文庫)作者: 江國香織出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1995/05/30メディア: 文庫 クリック: 10回この商品を含むブログ (35件) を見る 初めて読んだ高校…

フルタイムライフ | 柴崎友香(河出文庫)

新入社員の10か月を淡々と描いた小説。 読み始めたときは、「あっやばい、つまらないかも」って思いがさりげなく頭をよぎったんだけど、読み進めてみればさすが柴崎友香、終盤は本の中に吸い込まれるようにして読んだ。 フルタイムライフ (河出文庫)作者: 柴…

本格小説 | 水村美苗(新潮社)

「嵐が丘」を読み終わってから、何としても「本格小説」を再読せねば、と思っていた。 数年ぶりに読み返したのだけれど、この本を読むと必ずこの小説の世界に引きずりこまれてしまって、読み終わってしばらくは放心状態になる。もう何度も読んでるのに読むた…

風と共に去りぬ | マーガレット・ミッチェル(新潮文庫)

昨年の年末から今年のお正月過ぎにかけて、一気に読み終えた「風と共に去りぬ」。 風と共に去りぬ (1) (新潮文庫)作者: マーガレット・ミッチェル,Margaret Mitchell,大久保康雄,竹内道之助出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1977/06/03メディア: 文庫購入: 5…

嵐が丘 | エミリー・ブロンテ(新潮文庫)

「高慢と偏見」を読んでから私の中で古典に対する敷居が低くなったこともあり、長年読まねば読まねばと思いながら後回しにし続けてきた「嵐が丘」をやっと手に取った。我ながらいいタイミングだったと思う。結果として、私のこの作品に対する印象はあまり良…

私の読書の伴走者たち

今年は例年になく、本を読んだ年だった。 日本語に没頭すると今使っている外国語を忘れそうな気がして、年の前半は読書から離れていたけど、夏以降は我慢できなくなって何やかんやで月に2冊以上は読んでいた。 これまでと今年の読書生活が違ったのは、読んだ…

今年読んだ本ベスト3

今年は例年よりも沢山本を読めた。ここに記してない本もあるので、それも含めてまとめてみたい。 去年までこんなことしなかったけど、ここの記録が増えるにつれて、どんどん一つ一つの記憶が薄くなってるので、とりあえず今年分をまとめて総括したくなった。…

高慢と偏見 | ジェイン・オースティン(ちくま文庫)

昨日から読み始めて、一気に上下巻読み終えてしまった「高慢と偏見」。 昨日も書いたけど文句なく面白かった。 高慢と偏見(上) (ちくま文庫)作者: ジェイン・オースティン出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/08/02メディア: Kindle版この商品を含むブ…

まさか今更の「高慢と偏見」

何となく魔が刺して、ジェイン・オースティンの「高慢と偏見(上)」を昨日Aamazonで電子書籍で買ったのだった。 高慢と偏見(上) (ちくま文庫)作者: ジェイン・オースティン出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/08/02メディア: Kindle版この商品を含むブ…

カブールの燕たち | ヤスミナ・カドラ(早川書房)

アフガニスタン・カブールで生きるということ。 この作品はタリバンが支配していた時代の様子を肌で感じることができる。 そんなに厚くない本だから一気に読んだ。 追い詰められたときには、男よりも女が強い。 カブールの燕たち (ハヤカワepi ブック・プラ…

ウォール街の物理学者 | ジェイムズ・オーウェンウェザーオール(早川書房)

ここしばらくは小説を読んでたんだけど、振り戻しのように頭がノンフィクションとか理系関係を求めてたので、この本をセレクト。 ウォール街の物理学者作者: ジェイムズオーウェンウェザーオール出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2014/04/01メディア: Kindl…

パイロットの妻 | アニータ・シュリーヴ(新潮社)

墜落した飛行機の機長の妻の話。 物語が浮き上がるまでの助走が長くて、正直中盤までは退屈だったのだが、最後まで読み終えると不思議な後味がある。 最初は単なるラブ・ストーリーだと思ったのに、次第にミステリアスになりスリリングになり、最後はキャス…

きょうのできごと | 柴崎友香(河出文庫)

何でもない会話が連なって、そのときの空気や雰囲気がそのまま漂う。自分はそこにいないんだけど、不思議な同時性を体験できる小説。 大学卒業直後に読んでたらどうだったかなーと思いながら読み進めた。 時間が経ってから、当時の立ち位置や関係性を正確に…

夏子の冒険 | 三島由紀夫(角川文庫)

初・三島由紀夫。 夏子の冒険 (角川文庫 緑 212-6)作者: 三島由紀夫出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1960/04/10メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (9件) を見る 熊を追いかける男と女。彼らを取り巻く家族やら友人やら。 設定自体はシンプ…

今日の私

久しぶりにお腹の底から疼く曲。 歌詞はただやんちゃな感じなのに、サビの「Downtown」のところがぐっと泣ける。なんでだろ? 「Downtown」というサビを聞くたびに、体中のアドレナリンが放出される感じ。自分の感情も一緒に溢れ出されそうで、聞いてると座…

吉本ばなな自選選集3 Death | 吉本ばなな(新潮社)

図書館から借りてきて読んだんだけど、この本は日本の自宅にある本じゃないかなって読んでる途中で思った。 家にある本かどうかもわからなくなるくらい、久しぶりに手に取ったし、読んだ本だった。 吉本ばなな自選選集〈3〉Deathデス作者: 吉本ばなな出版社/…

神の棄てた裸体 | 石井光太(新潮文庫)

古本屋で何気なく買ったものの、気が乗らなくて全然読んでなかった一冊。 たまたま読み始めたら、はじめの章から面白くて、一気に読んでしまった。 神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く (新潮文庫)作者: 石井光太出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/04/24…

和菓子のアン | 坂木司(光文社文庫)

いまの私は…、いまの私は…、餡子に飢えている。 この表紙にそそられて、サクサクと読んでしまった。 和菓子のアン (光文社文庫)作者: 坂木司出版社/メーカー: 光文社発売日: 2012/10/11メディア: 文庫 クリック: 12回この商品を含むブログ (46件) を見る ジ…

明日泣く | 色川武大(講談社文庫)

全体的に切なさと一緒に爽やかな明るさがあって、ああ昭和だなと思う。 昭和の終わりころのバブル崩壊前後の小説やドラマとかって、妙な明るさがあっていいなとよく思う。 追い込まれたひっ迫感がない。完全終了の残酷さもない。 明日泣く (講談社文庫)作者:…

光と音失った女子大生の記録

以前TBSのドキュメンタリーを見てから気になっていた、聴覚と視覚を失った女性の近況が朝日新聞に載っていた。 本を出したようだ。 手のひらから広がる未来 ヘレン・ケラーになった女子大生作者: 荒美有紀出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2015/03/26メ…

黄金の夢の歌 | 津島佑子(講談社)

津島佑子って太宰治の娘なのか。読了するまで知らなかった。 マナスの歌に導かれるように、キルギスと中国の内モンゴル自治区を旅したひと夏の記憶。 大陸に刻まれた歴史の重みに圧倒されながらも、自分の胸を強く打ったのは、著者が時折垣間見せる遠い日の…

新版 放浪記 | 林芙美子(kindle)

林芙美子の「放浪記」、なかなか手に取らずに来たけれど、やっと手に取るや、はじめの1ページ目からグイグイと引き込まれ、一気に読んだ。 その日の金勘定もままならないほどに困窮した生活の中、食べ物と金を求めて、次々に職を変え、住処を変える芙美子。 …

秋山晶のコピー

時々、という頻度でもなく、数年に一度、無性に秋山晶のキューピーマヨネーズのコピーを読みたくなる時がある。彼の作品集が手元にあればよいのだけれど、ない。 特にアメリカ編。 もう15年以上前、90年代後半の「non-no」にキューピーマヨネーズ・アメリカ…

ちびまる子ちゃん | さくらももこ(集英社)

何年ぶりか覚えてないくらい、久しぶりに「ちびまる子ちゃん」を読んだ。 ちびまる子ちゃん (1) (りぼんマスコットコミックス (413))作者: さくらももこ出版社/メーカー: 集英社発売日: 1987/07メディア: コミック クリック: 34回この商品を含むブログ (70件…

グッド・バイ | 太宰治(Kindle)

iPadに「kindle」アプリをインストールした。 何も読む予定はなくて、単純な「Kindle」への興味本位で。 でも、インストールした後に読むデータを何も購入していないことに気付いた。あわてて無料本を検索して、太宰治の「グッド・バイ」をダウンロードして…

貧乏人の経済学(みすず書房)

「本当にそれは正しいの?」「もう少し考えてみない?」 客観的に現状を見つめる視座を与えてくれる、最近の中では群を抜いて読んで良かった一冊。 これまで本書のような視点による論が出回らなかったことが不思議。 貧乏人の経済学 - もういちど貧困問題を…

かもめ食堂 | 群ようこ(幻冬舎文庫)

映画作品の「かもめ食堂」は、公開当時に恵比寿ガーデンシネマまで観に行った。 当時、私23歳。社会人としてスタートを切ったばかり。 映画を観終えると悶々としてしまい、すぐに家に帰った記憶がある。 中年女性が異国で浮遊している姿に実はほとんど共感…

サンダルで歩いたアフリカ大陸 | 高尾具成(岩波書店)

毎日新聞記者である高尾具成さんによるアフリカのルポ。 著者は2008年から2012年にかけて、毎日新聞社のアフリカ特派員だった。 率直に言うと、元朝日新聞社の松本仁一さん、毎日新聞社の白戸圭一さんに比べると、何とも大味で物足りない。 あとがきで別の方…

アフリカ・レポート | 松本仁一(岩波新書)

元朝日新聞の松本記者が書いた、アフリカ報告。 2007~2008年の記録なのでチョイ古い。でも内容は面白かった。 アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々 (岩波新書)作者: 松本仁一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/08/20メディア: 新書購入: 25人 ク…

アメリカの20世紀 | 有賀夏紀(中公新書)

いつ買ったのか忘れたような本を、一体これを読んで何になるのかと、何度も自問自答しながら読了。 アメリカの20世紀〈上〉1890年~1945年 (中公新書)作者: 有賀夏紀出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2002/10メディア: 新書購入: 3人 クリック: 37回この…

こんな夜更けにバナナかよ | 渡辺一史(文春文庫)

あゆみBOOKSの文庫本売り場の目立つところに、高く積まれてPOPまで立ててあったこの本。 タイトルに惹かれて何となく手に取り、面白くて一気に読み終えた。 筋ジス患者の鹿野靖明氏を巡る「ボランティアたち」を追ったドキュメンタリー。 鹿野氏を主体として…

河童が覗いたインド | 妹尾河童(新潮文庫)

最近手に取ったインド本の中では、一押し!! 河童が覗いたインド (新潮文庫)作者: 妹尾河童出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1991/03/27メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 112回この商品を含むブログ (66件) を見る ページいっぱいにびっしりと文字とイラス…

はるか戦火を逃れて | 中屋敷郁子(講談社)

今さらなんだけど「戦争広告代理店」を読んで、久しぶりにユーゴ紛争へ関心が向いた。 ボスニアとサラエボ、どっちが国名でどっちが都市名かわからなくなるような体たらくなんだけど、あのときのニュース映像を思い出すと脊髄反射的に思い出すのは、ユーゴ紛…

河童が覗いたヨーロッパ | 妹尾河童(新潮文庫)

河童氏がヨーロッパを旅したのは、1970年代半ば。 ロシアはまだソ連だったし、ドイツは東と西に分かれていた時代。 ホテルの間取図が延々と続く不思議な旅行記。 河童が覗いたヨーロッパ (新潮文庫)作者: 妹尾河童出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1983/07/27…

終生ヒトのオスは飼わず | 米原万里(文春文庫)

この人の著作をこの2~3か月余りで、バババババと読んだのだけれど、この作品は80年代90年代のエッセイと違い、死後刊行された本なので、ほかのエッセイ群と趣が少し異なる。 終生ヒトのオスは飼わず (文春文庫)作者: 米原万里出版社/メーカー: 文藝春秋発売…

祭りの場・ギヤマン ビードロ | 林京子(講談社文芸文庫)

自分にとって原爆と言えば広島が圧倒的で、長崎のイメージがほとんどないのだけれど、昔の新聞記事で何となく覚えていた名前の作家の作品を手に取って、読み始めると夢中になったのだった。 祭りの場・ギヤマン ビードロ (講談社文芸文庫)作者: 林京子,川西…

ニューヨークでがんと生きる | 千葉敦子(文春文庫)

ニューヨークは今も多くの人にとって、魅力的な場所なのかな。 この本は、このニューヨークに長年憧れてきたフリージャーナリストの著者が、1980年代前半に40にして単身移住してからの2年余りの記録。 乳がんを患っていたことから、大半はニューヨークでの闘…

アメリカ居すわり一人旅 | 群よう子(角川文庫)

群ようこの著作は2作目、10年以上ぶり。 「アメリカ」のタイトルだけで手に取って、非常に面白く読んだ。 アメリカ居すわり一人旅 (角川文庫)作者: 群ようこ出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1991/01メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (9件…

インド旅行記〈1〉北インド編 | 中谷美紀(幻冬舎文庫)

中谷美紀じゃなくて、インドに惹かれて、BOOK-OFFで手に取った。 表紙の青空がきれい。 インド旅行記〈1〉北インド編 (幻冬舎文庫)作者: 中谷美紀出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2006/08メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 83回この商品を含むブログ (136件…

アメリカン・コミュニティ 国家と個人が交差する場所 | 渡辺靖(新潮選書)

アメリカは不思議な国だ。超合理的な面と超保守天気な面を持つ。 私はまだ一度もアメリカに行ったことがないんだけれど、外側から眺めていると一様じゃなくて掴みどころのない国だとつくづく思う。 文化人類学者の渡辺靖氏がアメリカの9つのコミュニティを訪…

オリガ・モリソヴナの反語法 | 米原万里(集英社)

ただいま絶賛米原万里ホリックにかかっている私。 「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」で描かれた、米原女史のチェコ時代に着想を得ているこの作品、読まぬわけにはいかぬ。 1960年代にチェコ・プラハで、志摩が通っていたソビエト学校には、謎の教師オリガ・…

米原万里の「愛の法則」 | 米原万里(集英社新書)

「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」を読了後、さっそくこの本を手に取る。 彼女の講演をまとめたもの。 話し言葉の彼女を感じたくて、一気に読んだ。 米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)作者: 米原万里出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/08/17メデ…

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 | 米原万里(角川書店)

米原万里、という人をはじめて知ったのは、数年前の彼女の訃報によって。 長い間手に取らず来てしまった本をようやく。 いろんな人に長年語り継がれるだけあって、いやー面白かった!! 嘘つきアーニャの真っ赤な真実作者: 米原万里出版社/メーカー: KADOKAW…

ロング・グッド・バイ | レイモンド・チャンドラー(早川書房)

「ロング・グッド・バイ」= 「長いお別れ」。 村上春樹にハマった高校時代に読んだ作品群のなかに、この本の名前があった気がする。 てか、彼の大好きな作品の一つだったはず。 ロング・グッドバイ作者: レイモンド・チャンドラー,村上春樹出版社/メーカー:…