コーヒー3杯

紙の日記が苦手だから。

ミリキタニの猫(2006年/アメリカ)

映画ももっぱらテレビ録画のばっかりさ。
ミリキタニの猫」。初見、2006年作品。

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NYの日系人ホームレス画家、ミリキタニ。日中はひたらすボールペンで猫を描く。
撮影しているのは女性映画監督。 9.11後のNYが混乱に陥る中、この監督の家での居候生活が始まる。
時間を共にすることで知る、彼の半生。

ミリキタニはアメリカの社会保障を頑なに拒否する。
遠い日本、広島への望郷の思い。
太平洋戦争時代の、収容所での記憶。

何をどう勘違いしたのか、公開当時この作品をアート映画だと思い込んでいた。でも全然違った。
この映画を見て思い出したのは、昨年の橋田壽賀子ドラマ「99年の愛」。
でも現実は、ドラマを超えていた。

75分という時間の中で、ミリキタニの半生が描かれていることの凄さ。
監督の視点がぶれないからこそ、短い時間でも伝えられる。

人と関わって、過去を少しずつ掘り起こしていくことで、ミリキタニの過去が思い出になる。
彼は最後に、アメリカを許す。

ミリキタニの猫 [DVD]

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ミリキタニの猫
2006年/アメリカ
原題:the Cats of Mirikitani
監督:リンダ・ハッテンドーフ
出演:ジミー・ツトム・ミリキタニ



2012/10/28 追記
ご冥福をお祈りいたします。どうぞ、安らかに。
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