コーヒー3杯

紙の日記が苦手だから。

少年と自転車(2011年/ベルギー・フランス・イタリア)

ダルデンヌ兄弟の撮った「少年と自転車」を、Bunkamuraのル・シネマで観てきた。
映画を観ながら、涙が止まらなかった。

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まるでノンフィクションかと見紛うような脚本と演出。
ぐいぐいとストーリーに引き込まれ、気づけば少年と同じ思いで自分も父を探し求めてしまう。
胸がいっぱいになって涙が止まらない。困った。
希望ほど明確なものは見えないけど、悲しみの残らないエンディングはとても良かった。
少年の人生が、映画が終わっても続いていく余韻がある。

この作品に出ている役者はみんないいけれど、なかでも美容師役のセシル・ドゥ・フランスがいい!黒く焼けた肌と、筋肉が盛り上がる二の腕、ふくらはぎ。
色白で細見な少年とは対照的で、太陽のもとにいるような明るい健康的な肉体が、映画の中で冴えわたる。
少年をべたべたした優しさで甘やかさない。でも傍にいる。これまで子供とそこまで関わっては来なかったのだろうな、とわかるような少年との距離感。
でも、それがいい。
モンテーニュ通りのカフェ」に出ていたときはどこかボケた役だったから、今回は驚いた。

シアター・イメージフォーラムでやっている「フランス映画未公開傑作選Ⅴ」特集の「ある秘密」にも主演してる。

少年の父役にジェレミー・レニエ。「ある子供」とはまた違う父親役。
ダルデンヌ兄弟の常連。さすがの貫録で、出てくるだけでニヤニヤしてしまう。
この作品ですごく老けた顔をしてるけど、確か私と同い年のはず。お腹も出てるけど、役作り…と思いたい。

少年と自転車 [DVD]

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少年と自転車
2011年/ベルギー・フランス・イタリア
原題:Le gamin au vélo.
監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
出演:セシル・ドゥ・フランス、トマ・ドレ、ジェレミー・レニエ