マイレージ、マイライフ(2009年/アメリカ)
観終わった後も映画の余韻が続く。というか、余韻が終わらないよ!
ジョージ・クルーニーが大好きになってしまった。
この映画の何が良いのか、一言では言えない。
でも見始めたら最後まで止まらない面白さ。なんでなんだ。
まず登場人物が良い。
多少癖はありつつも、仕事に対する誠実さとか、いやいやながらも見せる家族に対する優しさ、後輩に対する面倒見の良さ、といったライアンという男の側面がさらっと描かれていて、彼をまず嫌いになれない。
人生の重荷、と切って捨てる人間関係やぬくもりに対して、彼は完全に背はむけていない。
この男がどうなるのか、にどうしても興味が向いてしまう。
そして、ある意味裏の主役、ナタリー!!
顔は可愛いくて頭も切れるけど、スーツ姿はあか抜けず、出張先ではどんくささ満開。でかい枕はトランクに積んでくるし、夢見がちな将来設計も捨ててない。理屈屋の反面、私情に負ける。口だけは達者。
「あちゃーーーーーーー」って感じなんだけど、大好きよナタリー!
わたし途中からナタリーばっかり追いかけて映画観てた。
彼女の言い放った一言、たまらず膝を打つ。
いくら成功したって、いい男をつかまえないと!
つくづく最近思うのは、若い人間ほど国境の壁なんてないってこと。日米一緒だな!若手! ナタリーにすさまじく自分を見る。
この作品がさすがだな、と思うところは夢物語を用意はしなかったこと。
ライアンにもナタリーにも苦い結末が待っている。
もったいないのは、未公開部分が多いせいでシーンのつながりが弱くなっていること。
つまり話の深み、幅が狭まってしまって、登場人物たちの洞察が汲み取れていない。
妹の結婚式ドタキャンのくだりは妙に浮いちゃってるし、お姉ちゃんの別居エピソードもスルーされてるし。
ライアンが一つの場所にとどまって生きていく準備をしていくところもバッサリカットされて・・・。(特典の未公開映像がすごくもったいない)
それでも、この作品は素晴らしい。
家族礼賛でも人間賛歌でもない。人生の途中、少し立ち止まった人たちの物語。
リストラを受けた人たちを演じたのは、実際にリストラ直後のエキストラだそう。
不況下、いろんなことを考える。
作中で出てきた都市を並べてみた。
ダラス → オマハ → セントルイス → ウィチタ → カンザスシティ → タルサ → デモイン → デトロイト → ミルウォーキー → シカゴ → サンフランシスコ
飛び過ぎだね。
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マイレージ、マイライフ
2009年/アメリカ
原題:Up in the air
監督・脚本:ジェイソン・ライトマン
出演:ジョージ・クルーニー、ヴェラ・ファーミガ、アナ・ケンドリック