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コーヒー3杯

紙の日記が苦手だから。

旅芸人の記録(1975年/ギリシア)

早稲田松竹で「旅芸人の記録」を観てきた。
上映時間4時間・・・!
1月に亡くなった、テオ・アンゲロプロス監督の追悼企画。
最終日、最終回に、意外と人が入っていた。8割がた、席は埋まっていたのではないかな。

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作品は・・・難解だった。
一度観ただけでは、ぼんやりとしか話がつかめなかった。
基本的にアップのシーンはないため、旅芸人の中の誰が誰なのか顔で判別することができないまま、話がぐいぐいと進んでしまう。
その上、金曜夜ということもあって何と冒頭から船をこぐ始末・・・。口が開いて目覚めて、また気づけば夢の中・・・という、実はまるで映画を観るコンディションではなかった。
これで話が分かるわけナイネ。wiki見てやっと理解した。

でも、時と人が廻って、旅芸人たちがそれぞれの運命の歯車に巻き込まれていく様は、話にどんなに置いてけぼりになっても追いかけずにはいられない。

一人目のお父さんが、ドイツ兵に射殺される場面。後ろ手に縛られて、まさに撃たれる直前、銃を構えた兵士たちに無邪気に聞く。

君たち、どこから来たの?僕は・・・ミケーレのほうから来たんだよ。

遠いどこかから来た知らぬ人たちに、無意味に殺される戦争の不条理。
あたしもこの兵士たちはどこから来たんだと思った。
淡白で静かなシーンだけど、一番印象的なシーンだった。

映像の美しさは言わずもがな。
ワンカットで次のシーンへスライドさせる場面が多く、カメラの向きもすべて計算尽く。
各カットがまるで1枚の巨大な絵画のようで、画面にうっとり見入ってしまう。

不思議と4時間が長くない。
ギリシアの現代史を、観ているこちらも映画とともに体感して、ともに傷つく。
歴史に対する意思表示がある。
機会があれば、また観たい。

旅芸人の記録 [DVD]

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旅芸人の記録
1975年/ギリシア
原題:O Θίασος
監督・脚本:テオ・アンゲロプロス
出演:エヴァ・コタマニドゥ