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コーヒー3杯

紙の日記が苦手だから。

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 | 米原万里(角川書店)

米原万里、という人をはじめて知ったのは、数年前の彼女の訃報によって。
長い間手に取らず来てしまった本をようやく。
いろんな人に長年語り継がれるだけあって、いやー面白かった!!

嘘つきアーニャの真っ赤な真実

嘘つきアーニャの真っ赤な真実

子ども時代を過ごしたチェコで、米原万里が同じ学校に通っていた同級生を数十年ぶりに訪ね歩く。
久しぶりに会った同級生たちは、彼女たちの祖国の近代史に翻弄されながら、激動の人生を歩んでいた。

通勤電車でそのまま目的地を通過してしまおうか、という誘惑に囚われるほど、本を閉じる手が惜しい。
久しぶりに周囲の音も聞こえなくなるほど、どっぷり本の世界に入りこんで読んだ。
まるで自分が米原女史になったかのような気分で。

何が面白いのか。それは、何と言っても登場する同級生4人の魅力!
利発で、優しくて、そして個人ではどうにもならない運命に翻弄されながら生きる強さ。
とにかく米原万里が大好きな3人を愛情込めて書いている。

彼女たちとの現在の交流の様子も、読後に尾を引く。
大人になってわかること、わかったこと、わかりあえなくなったこと。
再会がもたらしたのは喜びだけじゃない。

感情が率直に表れる文章から、米原万里の人柄にも思いをはせる。
子ども時代の描写は、気取りがなくてとても鮮やか。
脚色も大いに入っていることは承知の上で、そのマジックに憑りつかれた。

YouTubeに何とこのときの動画が落ちてた。
元ネタは「世界わが心の旅」か!