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コーヒー3杯

紙の日記が苦手だから。

自由戀愛(2005年/日本)

大正時代はハイカラさんとか、女学生のイメージ。
女性の自立がテーマとなり得た時代だからこそ、女学生がシンボルになって刷り込まれてるのかな。
でも、21世紀に入っても日本の女はまだ闘っているよ…。

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お嬢様育ちで恵まれた世界にいる明子と、苦しい境遇にいる清子。
対照的な二人と、明子のはじめの夫、そしてのちに清子の夫となる御曹司の優一郎を中心に話は展開する。
この優一郎が名前の通りの優男なんだけど、実はとんでもない男。トヨエツが演じて納得。
優一郎に愛されたがゆえに翻弄される明子や清子にムチャクチャ感情移入してしまって、三人がどこに行き着くのか目が離せなかった。

私は木村佳乃が演じた清子に親近感を感じて、清子目線で作品を観てしまった。
清子のしたたかさと意地の悪さ、芯の強さ、気の強さ。
このタイプは女に好かれる。男には少し疎まれる。
優一郎を見切り、ラスト雑誌の編集長まで昇り詰めた彼女の顔はすがすがしい。
中盤までの顔と全然違う表情が見れる。
木村佳乃はこの役を見事に演じきったと思う。

一方、明子を演じた長谷川京子は役に乗っかりすぎて、ふわふわに演じすぎたかも。
最後の最後まで借りてきたセリフを喋っているようだった。
でも、優一郎との離婚劇の際の土壇場で、ひとり暮らしをすると宣言するくだりのお芝居はとても良かった。

とにかく女はすさまじい。
時代の空気と相まって、強いけれど軽やかに自由を掴み取りに行った明子と清子。
もう少し二人を汚く描いても良かったような気がするけど、まあいいか。
面白いのは、この二人の自由への背中を押したのは、はからずも優一郎であったということ。(歯痒いけど!)
この男がいなければ、二人はラストへつながるような生き方はしていなかった。
清子の父親も女の自由を賞賛した。
この物語の中では、女たちが自分たちだけで生き方を獲得したのではなかった。
理解のある他者の存在は忘れたくない。

作品全体として117分は短かったか。
内容が多いため、駆け足で話が進む。スピードが余韻を殺した感は否めない。
刻々と変化する三人の関係は、しかしこのスピードでないと描けないかも。
欲を言えば、震災前後のはなしをもう少し膨らませてほしかった。
少し消化不良が残る。

自由戀愛 [DVD]

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自由戀愛
2005年/日本
監督:原田眞人
出演:長谷川京子木村佳乃豊川悦司