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コーヒー3杯

紙の日記が苦手だから。

フランス、幸せのメソッド(2011年/フランス)

原題は「Ma part du gâteau(お菓子の分け前)」で、ズバリ「幸福の分け前」というタイトルだと思うんだけど、邦題が映画とかけ離れて意味わからなくなってる。
「猫が行方不明」「家族の気分」「スパニッシュ・アパートメント」「PARIS」などを撮ったセドリック・クラピッシュ監督作品。
期待した割には拍子抜けしたけど、一筋縄ではいかない展開がさすがと思った。

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ステファンは絵にかいたようなハイソ暮らしをしている男。そして、この手の役にありがちな情の薄い男。
一昔前のホリエモンが騒がれてた時代によく見かけたような設定。
私の感覚からすると、この設定自体がどうも古臭い。

家政婦としてフランスがステファンの家で働き始める中盤、生きている環境の違いから、想像しなかった角度から意見を言うフランスにステファンが興味を示し始める。
けれど、ステファンの家にフランスが家政婦として働き始めたのをきっかけにが人並みの思いやりを獲得する…ような展開にさせなかったのは、さすがクラピッシュ。

なにがすごいって、最初と最後で全然別の映画になっているところ。
序盤の工場の閉鎖や自殺未遂、シングル家庭のぎりぎりの生活といった深刻な場面が、中盤でいったん一転して「あれ?序盤のエピソードは?」と思ってたら、終盤はフランスの復讐劇へとって変わる。
フランスの生きてる現実とステファンの暮らすファンタジーのような世界がシーソーのようにせわしなく傾いて、見ているこっちがバランス取れない。

ラスト、ステファンとダンケルクの人々が対峙して、ステファンは逃げる。
とうてい同じ世界の住人ではないんだから、互いに分かり合うことは不可能。
クラピッシュの傑作とはとても言い難い今作だけど、用意されたシニカルな結末には拍手したい。
だからこそ、邦題に首をかしげる。
これはフランスの幸せのメソッドでは、ない。

クラピッシュ監督常連のジヌディーヌ・スアレムも出てる!

フランス、幸せのメソッド [DVD]

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フランス、幸せのメソッド
2011年/フランス
原題:Ma part du gâteau
監督・脚本:セドリック・クラピッシュ
出演:カリン・ヴィアール、ジル・ルルーシュ、ジヌディーヌ・スアレム