コーヒー3杯

紙の日記が苦手だから。

世界にひとつのプレイバック(2012年/アメリカ)

稲田松竹の上映を観に行こうとしたけれど予定が合わず…。
悔しいからツタヤからDVDをレンタルして観る。

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ストーリーの予習をせずに観たため、予想しなかった展開が続いて少し驚く。
キーパーソンとして出てくる、バットの友人の妻の妹(複雑!)のティファニー
彼女の登場から中盤までの振る舞いがトリッキーで少し怖い。夜中、両親に対して躁鬱を爆発させるバットよりも怖い。
バットがドン引くのも分かる。

最後のどんでん返しのハッピーエンドは想像通り。
そろそろ私も枯れてしまって、ティファニーとバットのロマンスには特に感動しなかった。

むしろ、躁鬱を抱え社会的に孤独となったバットを必死で守ろうとする両親の姿が切実で、自分は不覚にもこっちに胸を打たれた。
バット自身も辛いが、母も父も辛い。
近所からの冷たい目と闘いつつ、状況を好転させようと父が繰り出す大博打。この博打が結果として、バットを変える。

父の博打とティファニーという劇薬にバットは助けられるが、博打もティファニーもない現実のそのほか大勢はどうしているのだろうか。社会からはみ出てしまった者を、家族だけが支えるのには限界がある。
アメリカには彼らを収容する施設もカウンセリングも豊富だが。それは解決策となっていない。
暴行事件を起こした身の上がゆえ、警察の監視下にもあるバットを最終的にどのように社会復帰させるのか。
そこまで映画は示さなかった。
傷ついた者通しの恋愛物語、とは純粋に受け取れず、いろんな課題が提示されているようで、少し考え込んでしまった。

世界にひとつのプレイバック
2012年/アメリカ
原題:Silver Linings Playbook
監督:デヴィッド・O・ラッセル
出演:ブラッドレイ・クーパー、ジェニファー・ローレンスロバート・デ・ニーロ