コーヒー3杯

紙の日記が苦手だから。

私がクマにキレた理由(2007年/アメリカ)

この邦題のセンスが理解できない。
クマってなんだよ?と思ったら、ナニー・カメラ(子守監視カメラ)のことだった。
原題を忠実に訳してくれた方が良かったのに。

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大学を卒業後、アニーは金融業界の就職に失敗し、ひょんなことから上流階級の家庭で子守をすることになる。
ゴールドマン・サックスの面接へ行き、「あなたを説明してください」の質問にひるむアニーの場面がある。
この場面、かつての自分にデジャブして人ごとじゃなかった。
面接の度に「あなたは誰?」「あなたは何をしてきたの?」という質問が、次から次へと大波のごとく襲いかかってきた就活時代を思い出した。
アメリカでの若者の就職難、貧困が取りざたされるようになって久しい。日本の就職戦線は異常だが、アメリカもまた職を得るのが難しい時代になっていることを、この作品が暗に伝えていて、ため息が出る。
そして、娘に過剰に期待をかけ干渉する母親の存在も。
(子守に)就職して家を出た娘が心配で電話をかけ続ける母親は、ただただうざい。
日本のドラマかと惑うばかりの前半の展開に、「アメリカよ、あなたもですか」と哀しさを飛び越えて、可笑しかった。

中盤以降の子守先では、関係が崩壊しつつある夫婦とわがままな息子というお決まりの展開が待っている。
同じマンションに住む、ハーバードの大学生と仲良くなるロマンスも絡まるけど、少し退屈。
子守からはどう足を洗うのか、気になって観てたけど、まさかアニーが専攻していた文化人類学の教えがきっかけになるとは…。

主役のスカーレット・ヨハンソンは美人なイメージだけど、この作品ではそう思えず…。ドンくさい役回りだったから?
子守先の母親役は「ラブ・アクチュアリー」のローラ・リニー
ラブ・アクチュアリー」では負け犬の役だったのに、今作ではセレブ!
そして父親役は何と「サイドウェイ」のポール・ジアマッティ!!あまりに変態的な雰囲気で気づかなかった…。

私がクマにキレた理由
2007年/アメリカ
原題:The Nanny Diaries
監督:シャリ・スプリンガー・バーマン & ロバート・プルチーニ
出演:スカーレット・ヨハンソンローラ・リニーポール・ジアマッティクリス・エヴァンスアリシア・キーズ