極寒のサンクトペテルブルク 3日目(2016.01.08)
エルミタージュ美術館リベンジ
この日は前日よりも1時間ほど早い、8時にはゲストハウスを出た。
さくっと地下鉄に乗って、エルミタージュ美術館
朝焼け手前の町。人通りもほとんど無い。
こういう時間に異国の町を一人歩くのは、思い返してみたら初めて。この夜と朝の隙間の時間の空の色!
エルミタージュ美術館前の広場についてみると、昨日とはうって変って行列はなく……。
外門前に数人が列をなしてたので、私も大人しくそこに並ぶ。着いたのが8時半前で、美術館の開館は10時。あと1時間半。昨日よりは並ばなくて済みそうだし、第一陣で館内に入れそうでホッとした。
エルミタージュ美術館に入館はしたものの
寒かったけど、凍え死にそうになったけど、この日は結局1時間半待って10時の開館ちょっと過ぎには無事にエルミタージュ美術館へ入館できた。
1時間半は昨日より短かったけど、やっぱり寒いから、並んでたロシア人たちもいきり立っちゃって、会館直前には「早く入れなさいよー」「結構待ってんのよー」って特におばちゃんたちが騒ぎ始めて、こういう光景は世界どこでも一緒なんだな、って変に感慨深かった。しかもエルミタージュ美術館は入り口の扉が回転ドアなんだけど、いちばん初めに入館できたグループがせっかち過ぎて(寒かったから早く中に入りたかったんだろうと思う)、何と人が一気に入りすぎて回転ドアが詰まるという事象も発生。詰まったまま中々人が抜け出せなくて、もうギャグみたいになっちゃってて、後続で並ぶ私たちを失笑させた。
入館後はチケットを買って、いざ見て廻ろうと思ったら、みんなはクロークへ向かう。驚いたんだけど、エルミタージュ美術館は劇場みたいにコートが預けられるシステムになってた。私は正直ちょっとまだ凍えててコートは脱ぎたくなかったんだけど、コート着たまま美術館内に進む人がほぼ皆無だったから、流れに身を任せて私も帽子とコートを預けた。これがこの日の最大の失敗となった。
館内をマップ片手に回り始める。広い広い、とは聞いていたけど、パリのルーブル美術館やロンドンの大英博物館だって相当広かった。外国の美術館はたいてい広い。いつだってマップ通りに進んで見たいものを見れた記憶がない私は、マップを横目で眺めながらも、気の向くままに館内を歩いた。
朝早かったことと、昨日の大入りの翌日だったせいもあって、館内は結構スカスカ。人に邪魔されず見たいものが十分に見られる素晴らしい日だったんだけど、館内の暖房が入り切っていないのか、人がいないせいか、とにかく冷える。じっくり見て回りたいんだけど、背中からシンシンと冷えてきて、鑑賞どころじゃなくなってきた。
私は結局館内を一周できたんだろうか。できてないんじゃないだろうか。館内に1時間ほどいただけで、寒さに耐えられず撤退した。何てこと……。つくづくエルミタージュ美術館に縁がない今回のサンクトペテルブルク滞在だった。
美術館から外に出ると、すっかり日が昇っていた。
朝の光に照らされるエルミタージュは爽やかで美しい。
ランチで復活
エルミタージュ美術館最寄駅である、地下鉄M5線の「Адмиралтейская(アドミラルティエイスカヤ)」駅そばに「le pain quotidien」を発見。日本にもあるよね。何か久しぶりに見て嬉しくなっちゃって入店。
頼んだのは、朝食メニューなんだけど、卵とアボガドのバゲットサンドイッチとカフェオレ。凍えてた身体が癒された。
血の上の救世主教会へ
次はサンクトペテルブルクと言ったらこれ!ロシアと言ったらこれ!というほど有名な、血の上の救世主教会へ。
この日はとても天気が良かったので、明るく日の光が所々に差していて、それもすごく良かった。
キンキンキラキラなんだけど、私はこの地の上の救世主教会の内観が何となく気に入ってしまって。緻密なモザイク画もすごいんだけど、全体に不思議な温かみがある。
ガレリア向かいの両替所で
血の上の救世主教会を見た後はぷらぷらとネフスキー大通りを東から西へ歩いた。その間に日も穏やかに暮れてしまった。サンクトベルクの昼は本当に短い。
ネフスキー大通りを東に抜けたところに大きな駅があって、その傍にはサンクトペテルブルク最新のショッピングモール、ガレリアがある。中にはユニクロなどの服屋さんや、大きなスーパーなどが入っている。この日は何も買わず店内を冷かしただけ。外のイルミネーションが様々に色を変えて綺麗だった。
そして私はそろそろルーブルが切れてドルに両替しようと、ガレリア向かいにある両替所に並んだんだけど……。
そこに止めてあった車のフロントガラスには「Welcome -26℃」の落書き。眩暈がした。
まさかロシアでロングダウン購入
この日街を歩いてる最中に、実は着ていたロングダウンのファスナーが壊れてしまって、前を閉じられなくなってしまった。前が閉じれないと、海風がビュービュー吹くサンクトペテルブルクで、コート内に凍てついた風がそのまま入ってくる。コート着てるのに全く防寒にならない。
「何とか直せないかな」と自分で必死にファスナーを合わせてみたんだけど、噛み合わせが完全に狂っちゃったみたいでどうにもならない。着てたダウンはZARAで買ったもので、ファスナーはYKKじゃなかった。よりによって何故旅先で…しかもこの極寒のロシア・サンクトペテルブルクで…と思ったけど、壊れちゃったものは仕方ない。
ちょうど年明けのセールの時期で、ファスト・ファッション系の店を廻って手頃なダウンを探したんだけど、値が良いものは質が悪いし、質を取ると値が張るしで中々うまく行かなかった。またファスナー壊れるのも嫌だし、どうせ買うなら長く着たいな、と思って、結局ファスト・ファッション店じゃなくて、adidasでロングダウンを購入。
このトラブルは何かすごい疲れた。
夜のお散歩
夜はJAZZバーに行こうと決めていた。演奏が始まるのは21時半。それまでに少し何かつまもうと適当なレストランを探してたんだけど、うまく見つけられないまま、街をフラフラする。
昨日来た聖イサアク大聖堂。昼と夜では結構雰囲気が違う。クリスマスツリーと一緒に。
公園にも沢山のかわいい電飾が。散歩が楽しくて、寒さを忘れてしまうほど。
凍った運河で遊ぶ子たち。
サンクトペテルブルクは元々湿地の上に街を作ってるから運河が多い町なんだけど、この時期は全部凍ってる。その凍った運河の上を歩いたり、落書きしたりするのが冬の楽しみなのかな。
昼頃に運河沿いを通ると、大きな間取り図(家のね)とか、「I Love You」的なラブ・メッセージまで色んな落書きを見た。
幸福な時間をJAZZバーで
めぼしいレストランが見つからなくて、結局空腹のままJAZZバーへ向かう。この日行ったのは「Dom 7」という有名なところ。
着いてみたら席は満席。「えー!」と思って、私は一人なので交渉してみたら、二階席に狭いカウンター席が空いてるということだったので、そこにしてもらった。
席について、ワインと豚肉の炒め物を頼んだ。
私の席からは演奏が見えないので、席を立って二階のバルコニー的なところから聞いた。
演奏が始まったら、ステージ手前であるカップルがすごく上手にダンスし始めた。途中から演奏よりも、彼らのダンスに私の目は釘づけ。カッコよかった。
この日は階段まで立ち見で溢れるほどの人の入り。みんながビール片手に、体を揺らしながら音楽に身を任せている姿はいいものだ。
何となくぼんやりとした幸福感があって、演奏は1時間せずに終わってしまったけど、私の気持ちはすごく満たされた。