コーヒー3杯

紙の日記が苦手だから。

ガープの世界 | J・アーヴィング(新潮文庫)

1978年に刊行された、J・アーヴィングの有名小説を読む。
アルジャーノンに花束を」的な話を想像してたけど、全く違う話でした。

ガープの世界〈上〉 (新潮文庫)

ガープの世界〈上〉 (新潮文庫)

ガープの世界〈下〉 (新潮文庫)

ガープの世界〈下〉 (新潮文庫)

どうにも話にのめり込めなくて、面白い!とやっと思えたのが下巻から。
下巻の、「事故」以後が圧倒的に面白かった。

登場人物たちの独特の風変りさ、エピソードが展開する速度の速さ、冒頭から一貫するどこか軽快なコミカルさ、がどうにも自分の波長に合わなくて慣れなかったのだけど、ガープの人となりが「事故」きっかけでやっと理解できた。
この男の魅力が自分に伝わった瞬間、この小説にかぶりつきになった。
ガープが33歳で死に至るまでの膨大な人生のエピソードと、人生に関わった人たちがとても魅力的に描かれる。

時間が飛ぶように過ぎていくから、ガープはてっきり40代で命を落としたのだと思ったら、まだたった33歳。
1978年の33歳は、だいぶ大人だった。


ガープの世界 [DVD]

ガープの世界 [DVD]

この小説をどう映像化したのか気になって、DVDを借りてみる。
1982年作品。
ほぼ小説に忠実に、小説の中の避けて通れないエピソードを引っこ抜いてつなげて映画化した感じ。
小説を読んでる人にはわかるけど、読んでない人には・・・?
ガープの描写は映画のほうがだいぶマトモに見える。
小説のテーマが「生と死」であるとして、映画の場合は「空を飛ぶ」ということがテーマになっている模様。これはこれでいいか。

映画内でも30歳になったガープが自らを「中年」というシーンがあって、やっぱり少し驚く。
私、今年「中年」になる。
いつの時代から、大人になるのが遅くなったんだろう。

ロバータを演じたのは何と「愛と追憶の日々」のジャン・リスゴー!ロバータ役がハマってる!名演!