望郷(1937年/フランス)
アルジェリアのアルジェを舞台にした、ジャン・ギャバン主演作。
アルジェの旧市街カスパが妖しく映る。
ジャン・ギャバンの作品ははじめて観た。ニヒルな男だなー。
ペペが熱を上げるギャビーはマレーネ・ディートリッヒのような風貌。細眉は当時の流行か。
ペペはギャビーに出会ってパリの街が恋しくなる。
彼も確かに哀れかもしれないけれど、カルロスの家で彼の奥さんが流したレコードの歌のほうが哀しかった。
夢見てアメリカに渡ったけれど、パリが恋しい。
帰れない故郷は、この世の至る所にある。
アルジェリアを舞台にした作品は初めて。
これがアルジェかー!カスパかー!と高揚してみてたのだけど、全編セットだそう。
見どころはなんといってもカスパの街並み。家々も路地もすべてが縦横無尽につながって、一歩迷い込めば別世界。
「アルジェリアを知るための62章」にこの作品についての言及がある。
アルジェリアを知るための62章 (エリア・スタディーズ73)
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確かに悪党はみなアラブ人だった。
でも、一度ご覧あれ。アルジェリアを知るには良き一本。
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望郷
1937年/フランス
原題:Pépé le Moko
監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ
出演:ジャン・ギャバン、ミレーユ・バラン