コーヒー3杯

紙の日記が苦手だから。

ボルベール(2006年/スペイン)

「ボ~~ルベ~~ル」とペネロペが歌ったフリする歌うシーンが印象的な本作。
観るのは2回目で、タンゴの楽曲「Volver(帰郷)」ばかりに心奪われてしまった1回目と感想は異なった。
ペドロが描く作品群の系譜の中で「母」色がそこまで強くないような気がしてた今作なんだけど、今回は「母」っていう存在に圧倒された。観れば「母」「母」「母」づくしで、なんで1回目は「母」部品を素通りして観れたんだろう。
「ハイヒール」や「オール・アバウト・マイ・マザー」に連なる作品だね。

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風が強く吹くラ・マンチャが舞台!
冒頭の墓参りのシーンでも強風が吹いていて、この風が物語のキーになる。
後から唸る布石が随所に巧妙に張り巡らされていて、ホントにすごい。
わらわらとよく喋る女たちはこの作品でも健在。

話はいつもそこまで複雑じゃない。でも面白い。
本音もウソも入り混じり、女たちの関係が二転三転する。でも根っこの信頼がゆるがない。
母だけじゃなく、生々しく女が描かれているのがいい。
気づけば、男がほとんど出てこなかった。これはこれで珍しい。

アウグスティーナを演じたブランカ・ポルティーヨは、「抱擁のかけら」では主役級の出演をしてた。
カルメン・マウラは初期アルモドバル作品の常連だし、ペネロペ・クルスも最近の2000年代以降の作品に立て続けに出演。
ペドロは同じ女優たたびたび使うから、作品を振り返るのも一興。

一度ラ・マンチャに行ってみたい。現地の風を体感したい。

ボルベール <帰郷> Blu-ray

ボルベール <帰郷> Blu-ray

ボルベール
2006年/スペイン
原題:Volver
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
出演:ペネロペ・クルス、ロラ・ドゥエニャス、カルメン・マウラ、ブランカ・ポルティーヨ