マーサの幸せレシピ(2002年/ドイツ)
大学5年目を迎えてた8年前のある日の午後、たまたまテレ東で放送してたのを観た。
ちょうど就活がまったくうまく行かず腐りきってた頃。
折れてる自分に寄り添ってくれるようなこの作品に、救われた気持ちになった。
夏休みをとっていた金曜日の午後、今度はNHKプレミアムで放送していたのを偶然観る。
久しぶりに観ても相変わらず優しい作品で、少し泣きそうになる。
良作。大人の孤独に寄り添ってくれる作品。映画っていいなと改めて思わせてくれる。
ハンブルグのレストランでシェフとして働いている、マーサ。
料理の腕は一流だが、頑固で潔癖で、人付き合いもうまくない。
姉の遺子リサを引き取ったが扱いに戸惑う。
さらにイタリア人のマリオがシェフとして採用され、職場が奪われるのではないかと心は乱れる。
この作品につい思い入れてしまうのは、マーサが自分に似てるからだと思う。
自分の感情や気難しさを対処できず、本人でさえも持て余す。
マーサを演じたマルティナ・ゲデックは見事に体現していて素晴らしい。
家出したリナを迎えに行き、帰り道に感情が手いっぱいになった時、車の外でタバコを持ちながら行ったり来たりして落ち着こうとしてるマーサの姿は、胸がつまる。喉までイガイガしてくるようなシーン。
マリオが典型的なイタリア男として描かれているところは少々の疑問。
でも、マリオと知り合ってマーサの気持ちが次第に変化してゆく過程が丁寧に描かれていて良い。
ストーリー自体にはアップモローも無くて、ただリサとマリオとの交流なんだけど、どうしてこんなに面白いの。
ラストの怒涛のその後の映像が、幸福が続いていくことを伝えてくれてる。嬉しくなる。
絶対おすすめ。
何で Blue-ray 出てないんだろ。
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2007年にリメークされたハリウッド版は未見。
主演はキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。素朴なマーサ役をゴージャスなゼタ=ジョーンズが・・・!
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マーサの幸せレシピ
2002年/ドイツ
原題:Bella Martha
監督・脚本:ザンドラ・ネッテルベック
出演:マルティナ・ゲデック、セルジオ・カステリット、マクシメ・フェルステ