コーヒー3杯

紙の日記が苦手だから。

昼が夜に負うもの | ヤスミナ・カドラ (ハヤカワepiブック・プラネット)

「テロル」を読んで以来、すっかりヤスミナ・カドラが好きになってしまって手に取った。
そして、さらに好きになってしまった。でも邦訳されている作品が、あと残り1作しかないなんて!

昼が夜に負うもの (ハヤカワepiブック・プラネット)

昼が夜に負うもの (ハヤカワepiブック・プラネット)

読み終えると、私も膨大な時間をともに過ごした感覚になる。
はじまりと終わりで彼の立っている場所は途方もなく違う。
アルジェリアの現代史と、彼の過ごした時を思う。
主役は歴史ではなく、ヨナス(ジャナス)と共にあった人たちだ。
彼の愛したエミリーも、男仲間たちも素晴らしく魅力的だけど、私がいつも気になったのはイザベル。ムスリムであるヨナスを一度激しく拒絶しても、その後の人生において常に彼の側に立ってくれていた彼女が、とても愛おしいよ。

とにかく抱きしめてしまいたくなるほどの作品。
読んで胸がいっぱいになる。