終生ヒトのオスは飼わず | 米原万里(文春文庫)
この人の著作をこの2~3か月余りで、バババババと読んだのだけれど、この作品は80年代90年代のエッセイと違い、死後刊行された本なので、ほかのエッセイ群と趣が少し異なる。
- 作者: 米原万里
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/03
- メディア: 文庫
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前半は、雑誌に連載していた米原氏が飼っていたネコたちイヌたちについてのエッセイ、後半はインタビューや雑誌に寄稿したエッセイなどをまとめたもの。 「ヒトのオスは飼わないの?」の続編だと思っていたから、後半の構成に少し面食らう。
- 作者: 米原万里
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/06/10
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前半は、無理・道理、ターニャ・ソーニャ、モモも健在。
ペットを飼ったことのない自分も彼らが愛おしく、サクサク読み進めてしまう。
後半は、彼女のお父さんやお母さんについての語りが興味深いし、若き日の写真がいい。姉妹共に美人!
共産党議員だったこともあってお父さんが個性的な人なのかと思っていたら、どちらかというとお母さんの方が飛んでいたよう。
お父さんは非常に穏やかな方だったようで。
しかし、この本で一番ぐっと来てしまうのは、実はあとがきの後ろの解説だったりする。
米原氏が一緒に暮らしていたネコたちイヌたちの、飼い主亡き後を教えてくれる。
彼女の闘病がこの本には記されていないからこそ、落差が激しくて衝撃が強い。
「打ちのめされるようなすごい本」は未読だけど、彼女の書評本のはずがいつの間にか闘病記になっているらしく、私はまだ手に取れそうにない。受け止められる自信がない。
米原氏が亡くなっても生活は続く。
以前と変わらず、道理たちが階段で並んで餌をたべている姿が愛らしく、切ない。