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コーヒー3杯

紙の日記が苦手だから。

インド発『生理用ナプキン製造機を作った男』の衝撃

BS-1「発掘アジアドキュメンタリー」シリーズの中の1作。
生理用ナプキン製造機を作った男」 はじまりは日本の風景から。インドで生理用ナプキンを作った男ムルガナンサムが日本の生理用品メーカーで、日本製のナプキンをくさしているところから、このドキュメンタリーは始まる。

見るのは2回目だけど何度見ても面白い。面白くて面白くてひきこまれてしまう。
たくさんの衝撃が自分の中を走り抜ける。

インド女性の生理事情

「生理用ナプキンが全世界に普及している」とはまさか思っていなかったけど、普及していない世界がどうなっているか、私は全く知らなかった。
生理用ナプキンが高くて買えない農村などでは「もみがら」「砂」「土」「枯葉」で代用しているとか。
一番多いのは不衛生な「布」。何度も使用するうえ殺菌されない為、感染症や病気の温床になっているらしい。
信じられない。けれどそうだよなぁとも思う。ナプキンは確かに近代的な産物なんだよね。

そして、インド女性を縛り付ける「生理へのタブー」も。
生理が不潔であり、かつタブーの扱いを受けているため、いつまでも女性の状況が改善しない。
生理用ナプキンの普及に女性自身が関心外。高いし身近で売っていないことも要因。
ナプキンを持たないことは健康以外にも影響が出ていて、女性たちは生理中は衣服が汚れるので家に籠る。
学校に通っている女生徒たちは生理中は学校を休むという。その結果、男子よりも進度が遅れる。
生理中に社会活動ができないという現実を私は想像もしなかった。

男性が作った生理用ナプキン

そこで立ち上がったのが、ムルガナンサム。
生理というものをろくに知らなかった彼が、妻が「布」で処理をしていたことに衝撃をうけ、生理用ナプキンを作り始める。
しかし、ナプキンはひと筋縄ではいかず試行錯誤の日々。
男性が生理用ナプキンを作る異様さと強烈な執念によって、妻・友人を失った。
それは、自ら試着し、動物の血液をパンツに忍ばせて効果を試すほど。

私は世界で初めて生理用ナプキンを身に付けた男です。
まるで月面に初めて立った人類のように。

こんな息子に母でさえも「気持ち悪い」という始末。わたしも正直そう思った…。

女性たちへ拡げたソーシャルビジネスの輪

ムルガナンサムは苦労の末、安価で天然素材で作ることのできるナプキンを発明した。
そして彼は、このナプキンを使ってソーシャルビジネスを立ち上げた。
各地の女性単位のコミュニティに対し、ナプキン製造機械を売って生産体制を築き、各地で売ってもらう仕組みである。
女性の所得向上、ナプキンの普及、果ては女性の自立にまで繋がる、すばらしい仕組み。
妻への愛がめぐりめぐってインドの女性に力を与えている。

はっきり言って超変人なんだけど(インドだけじゃなく、舞台が日本でもそうだったと思う!)、「妻により良いナプキンを!」の思いだけで、インドの貧しい女性を救うことになるなんて。 すばらしいよ…!

でも、何かを作り出す人っていうのはある意味狂気に囚われた人でないと無理なのかも。
ムルガナンサムは周囲の人がどんなに離れて行こうと自分の信念を曲げなかった。
彼の思いが今やインドだけでなく、世界に飛び火し、生理用ナプキンを持たなかった女性たちに光を与え始めている。
妻も戻って来たし、今度は生理用ナプキンではなく、電動自転車でインド女性にビジネスチャンスを探っている。

驚きと感嘆に満ちた作品だった!やっぱりインドに一度行きたい!