コーヒー3杯

紙の日記が苦手だから。

極寒のサンクトペテルブルク 1日目(2016.01.06)

サンクトペテルブルクにふらりと一人旅してきたのは、もう三か月ほど前のこと。
記憶が少しずつ曖昧になって来てるけど、真冬のサンクトペテルブルクがとっても素敵だったから、少しここに記録しておきたい。

出発前のお話

とりあえず、私の今回の行きのフライトはこんな感じ。  

2016/01/06(Wed)
06:30 出発
08:05 シェレメーチエヴォ国際空港(モスクワ)到着
10:05 シェレメーチエヴォ国際空港(モスクワ)出発
11:30 プルコヴォ空港(サンクトペテルブルク)到着


出発の飛行機が6:30だったので、ゲストハウスに前泊。
空港には5:30には着けばよいので、タクシーで向かうとして1時間ほど余裕を見ると出発は4:30。すると4:00に起きればよい。21時前にはシャワーを浴びて布団にもぐった。22時半過ぎに知人から電話。寝ぼけた状態で出たから何話してるのか自分でもわからなかった。
しかし深夜に諸事情あって、朝は30分前倒しでゲストハウスを出発することに。結局3時半には起きて4時にゲストハウスを出発した。タクシーは一緒に空港に向かう中国籍の男性と相乗りで。
夜明け前のせいか空港までは1時間もかからなかった。40分くらい?おかげで空港にはかなり早く着いた。列なんてないような混雑の中チェックインを何とか済ませ、出発ゲートへ。飛行機の搭乗時間まで2時間ほど余るという予想外の展開になったけど、ベンチに座って寝ながら待った。
案の定と言っていいのか、搭乗時間は予定通りにはいかず、結局飛行機は30分遅れの7:00出発となった。

飛行機乗り継ぎながらサンクト

7時過ぎに出発した飛行機は、現在私の暮らす国から5時間かけて、まずはモスクワを目指す。
飛行機は朝を追いかけながら飛んだ。途中、夜と朝の境目を見ることができた。
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朝焼けが空を赤く染め上げた頃、窓から見えた風景を強く覚えてる。
あれはロシアのどこの町だったのかわからないけれど、暗闇の中転々と広がる車のライトが見果てぬ先まで続いてた。みんな通勤の途中だったのかな。真っ平らな大地がどこまでも続く光景は、「今自分は大陸にいるんだ」って強烈に実感した。

そして、しばらくして日が完全に昇ると、凍てついた果て無く続く氷の大地が眼下に広がった。
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眠ったり、外の風景を眺めたりしてたら、案外あっという間にモスクワ・シェレメーチエヴォ国際空港に到着。飛行機の窓から見たモスクワは雪が吹雪いてた。

ここでサンクトペテルブルクへ乗り継ぐのだけれど、空港の構造が結構複雑で乗り換えは結構手間取った。進路がわかりづらい上に、乗り継ぎの道が狭くて、私と同じく乗り継ぎ客たちが道で詰まっちゃって、出国ゲートへ向かうエレベーターまでは牛歩状態。疲れた。

そして飛行機に乗り込み、モスクワからサンクトペテルブルクへ向かう。所要時間は1時間。もう日は高く昇っているので太陽にあたると急速に眠くなって、今度はほとんど寝ていた。

やって来ましたサンクトペテルブルク

サンクトに着いたのは午前11時半過ぎ。飛行機から降りて空港から出ると、快晴というほどではなかったけれど晴れていて、雪は積もっていなかった。覚悟はしていたけれどこの日の気温はマイナス20度。空港から出た瞬間にキーンと凍てつく空気に体中が包まれる。でも不思議と凍えるほどは寒くない。ただ気持ちが引き締まる感じ。
市内へ通じてるシャトルバスに乗って終点のモスコフスカヤ駅で降り、そこからは地下鉄に乗り換えてヴォルコフスカヤ駅へ向かった。とりあえず、予約しているゲストハウスに荷物を置きに行きたかった。

宿泊先が見つからない

ボルコフスカヤ駅で降りて、ゲストハウスを探したわけだけれど、これが予想以上に難航した。
iPadでマップを確認しながら探したんだけど、どうしても見つからない。通りも番地も合ってるはずなんだけど、看板が出てなくて、近所のレストランやお店の人たちに聞きまくって何とか見つけた感じ。結局30~40分近くグルグルしてたのかな。身体は芯から冷えてきて本当に参った。
探し当ててみたら、ロシア式のアパートの一フロアをゲストハウスにしてる形だった。通りで見つからないはず。だってまず、その建物に入るためには、そのアパートの格子状のゲートを開けなきゃ入れない。そこにゲストハウスが存在するなんて、ロシアに住んでる人じゃないとわからないんじゃない……。
まずアパートに入るためのゲートを開けるためにピンポンしなきゃいけない。これはロシア語ができない人には相当ハードルが高いと思う。ピンポンして、応答した相手に今日の泊り客であることを伝え、ゲートを開けてもらって、中に進んでとりあえず手前の棟のドアを開ける。そこがゲストハウスの入り口だった。この入り口にも張り紙一つないから本当にわかりづらい。

私が宿泊したゲストハウスはここ、「East End Marata」。今回のサンクトペテルブルク滞在中は、結局ここに4泊した。
地下鉄のM5線「Volkovskaya(ヴォルコフスカヤ)」駅から徒歩5分ほど。Booking.comで予約した。

  • 部屋
    私が予約したのはシングル窓ナシの部屋。 6畳もないような狭さに、ベッド、棚、机、壁掛けテレビ。狭いけれど、逆に言えばベッドの上にいて何でもできる環境で、これはこれで文句なし。
    フロントに近い部屋なのでWifiも問題なし。

  • キッチン
    綺麗。冷蔵庫も清潔。湯沸かし器や電子レンジもあり。

  • お風呂、トイレ
    清潔。これが何より有難い。ドライヤーはなし。

  • 立地
    比較的中心地に近い場所にある。ネフスキー大通りまでも徒歩10~15分ほど。
    近くにスーパーが数軒あり、大衆食堂もいくつかあった。

このゲストハウス、探すのは大変だったけど、結果的に大正解だった。

大きな荷物を置いて、ベットでひっくり返って飛行機で疲れた体を30分ほど休ませた後、町へ繰り出した。

まずは夕暮れ前のネフスキー大通りを散歩

とりあえずはネフスキー大通りを東から西へ歩くことにした。
東から歩くと、かの有名な「ナチュラ・シベリカ」があっさり見つかった(日本でも青山に店舗がある)。店内は結構混んでて、30分ほど冷かしたけど何も買わなかった。

まだ午後3時過ぎとかだったけど、少しずつ日が傾き始めてる。 R0010987

サンクトペテルブルクのデパート「Большой Гостиный Двор」横あたり。
モクモクと立ち上る煙は煙突から?寒く厳しい冬を暖める煙に少し和んだ。 R0010989

電飾が灯る前の暮れなずむサンクトペテルブルク
この群青と茜色が薄く伸びている空の色が幻想的だと思う。
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ネフスキー大通りを垂直に流れる川は完全に凍っている。
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寒空の下、驚いたことにスタンドコーヒー屋さんが何軒か。
立ちっぱで販売してるお兄さんたちは偉いと思う。
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光り輝き始めるネフスキー大通り

電飾が灯り始めると、一気に通りが華やぎ始める。キラッキラしてて、歩きながらウットリしちゃう感じ。夜になると気温がさらにぐんと下がって、水蒸気が凍り始めるのか、電灯だけじゃなくて、まわりの空気もキラキラし始めて、それも綺麗だった。寒いけど。
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クリスマスツリーとカザン聖堂

ロシア正教のクリスマスは1月7日。つまりこの日はロシアではクリスマス・イブで、大きなクリスマスツリーがカザン聖堂の前に鎮座して、チカチカ点滅してた。
この日はクリスマスプレゼントを選んでる人たちが街中ゴッタ返してたのも、すごく記憶に残ってる。

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凍りついた水蒸気がキラキラ舞って。
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夜はサンクトペテルブルクフィルハーモニー

今夜は夜8時からフィルハーモニーを聞きに行く予定だった。演目はビゼーの「カルメン」。ロシアだけど「カルメン」。このときロシアは絶賛クリスマスシーズンだったので、自分の予定と照らし合わせるとこの日のチケットしか取れなかった。ちなみに翌日のクリスマスコンサートは完売だった。
散歩を一通り終えたら、会場のサンクトぺテルブルク・フィルハーモニー大ホールを探した。建物はすぐに見つかったけど入り口がわからない。建物の周りをグルグル回って、入り口はどこだろうと情けないけど2周も3周もしちゃって、関係者入口に間違って入っちゃったりして、それでもやっと見つられて安心した。
この頃くらいには日もすっかり暮れて、かなり気温が下がってしまって、体内の熱が逃げないように体を折るようにして歩いてた。
劇場の場所を確認した後は軽くご飯を食べて、少し体を暖めてから、再度劇場へ向かった。

劇場前の広場。雪は降ってなかったのに、夜になって道路が凍てつき始めてる。
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劇場向かいの広場は木々に凝った電飾が施されていて、とても綺麗だった。
オペラ座の怪人、的な。
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劇場内は白壁に赤じゅうたんでシックな雰囲気なんだけど、内装は意外にも新しい。 IMG_0697

トイレがすごい行列で、トイレと劇場をつなぐ小部屋があって、そこには休憩用のソファと大きな鏡があったのが印象的だった。鏡に映った、防寒用にタイツを二枚履きした自分の足が本当に大根よりも太くてガッカリしたのもいい思い出。

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演目は「カルメン」だけじゃなくて、4、5曲演奏したのかな?
久しぶりに聞く生で聞く演奏会、曲を弾き始める直前やフレーズの直前に楽隊全員が一斉にブレスする瞬間を目と耳で感じるたびに、「ああ、生なんだ」と嬉しかった。でもその喜びは長くは続かなくて、クラシックのメロディにやられて一気に気が抜けたのか、初っ端の「カルメン」途中から完全に船を漕ぐ有様。朦朧とする意識の中、寝ちゃダメだってわかってるんだけど、身体がいうことを聞かない。睡魔と終始戦って、何とか勝ったと思ったら、残り10分ほどしか残ってなかった……。というわけで、ほぼ記憶ナシ。

サンクトペテルブルク1日目終了

この後は、歩いてゲストハウスまで帰ろうとしたんだけど、あまりに寒かったので地下鉄に乗って帰った。
ゲストハウスに着いたらシャワーを浴びて、すぐに寝た。