女はみんな生きている(2001年/フランス)
原題の「CHAOS(混沌)」に対して、この邦題はよくつけた!と言いたい。
どこにでもいそうな主婦エレーヌが、仕事も家庭も放り出して、襲われた女性・ノエミの世話に躍起になる姿は尋常じゃない。
ノエミを執拗に追い回す男たちから守ろうと必死になっている彼女には神々しささえ感じる。
何が彼女をそこまで駆り立てるのか。罪悪感から、だけではない。
ノエミが寝たきりだった前半のサスペンス風展開から、ノエミの身体が回復した(回復早すぎ。。。)後半の復讐劇が、ものすごいスピードで突き進む。
ストーリーに多少首をかしげそうな不自然さがあっても、有無を言わせぬスピード感。
でもこの速さのおかげで、ある種の深刻さも多少軽くなっている気がする。
登場人物それぞれは少し型にはまりすぎる感じだけど、この映画には別の強さがある。
女のしたたかな強さがある。
女たちが自分の人生を掴み取ろうとしている姿が痛烈だ。
ラスト、エレーヌとノエミ、エレーヌの義母、ノエミの妹の4人のショットが印象的。
彼女たちの顔にあたるのは夕陽。男たちを捨てて、どこへ行くのか。
ノエミはアルジェリアからやってきた移民の子。
アルジェリア文化(イスラム)での女性の社会的地位、デフォルメは相当入っていると思うけど、フランス内で実際に目にする事実でもある。
アルジェリア移民はフランスの社会の一部。彼らを知りたい方にもおすすめ。
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2011/10/21
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女はみんな生きている
2001年/フランス
原題:CHAOS
監督・脚本:コリーヌ・セロー
出演:カトリーヌ・フロ、ラシダ・ブルクニ、ヴァンサン・ランドン